旅の記憶 ー スペイン・ヘレス

スペインの南、「ヘレス・デラ・フロンティア」はシェリーの街です。


石灰質の土壌の街に足を踏み入れるとそこは別世界。まるで雪が積もっているかのような白い街並みです。「遠い異国にやってきたぞ!」というエキゾチックな気持ちになりましす。
「ティオ・ペペ」で有名なゴンザレス・ビアス社のシェリーを輸入する会社に勤務していた1990年7月、照りつける太陽の熱で「ジリジリ」と焼ける音がしそうな中、ボデガとよばれるシェリーが作られる工場(こうば)を説明を受けながらまわりました。
見学の後、工場で作業をする方たちの休憩所に案内されました。そこは大きな納屋のような建物で、土間の床と高い天井、湿度の低いヨーロッパでは木陰は涼しく、大きな入り口から気持ちのよい風が吹き込みます。
そこでアペリティフとしてだしていただいたのはペール・クリーム「サンドミンゴ」のオン・ザ・ロックでした。ほのかに甘いペール・クリームをオン・ザ・ロックでいただくのはその時が初めてでした。”なんとオシャレなおもてなしだろう、”と感動したのを覚えています。

シェリーのアペリティフといえば辛口タイプのフィノが定番、と思っていた私には目から鱗のような体験でした。

スペイン〈2006~2007年版〉 (地球の歩き方)

スペイン〈2006~2007年版〉 (地球の歩き方)