クリッセラート・ヴァイラーさんの一つ星アウスレーゼ

久し振りにクリッセラート・ヴァイラーさんの一つ星アウスレーゼ(08−48番)を飲みました。夕食を終えた後友人とふたりで1本おしゃべりしながらいただいたのですが美味しい!のひとことに尽きました。10年の熟成を経て今なお生き生きとした酸味に支えられさらにこれからも変身していく予感を感じさせてくれる幸せな滴でした。

1998年の夏、モーゼルはいまひとつ天候に恵まれなかったのを記憶しています。8月にワインツアーでワイン教室のみなさんとモーゼルに滞在した際、蔵元さんのおひとりと「今年はどんなワインになりそう?お天気が今ひとつみたいだけど・・・」「そうねぇ、仮にこのままお天気が回復せずに不作な年になったとしても私たちにはまだまだ97年や96年ヴィンテージのストックが充分にあるから大丈夫」と会話したのが印象に残っています。でも蓋を開けてみると9月10月と収穫直前に素晴らしい好天に恵まれ糖度も酸度も高い長期熟成のリースリングがたくさん収穫できた素敵な年となったのでした。

1999年の初夏、瓶詰めされたばかりの1998年ヴィンテージのテイスティングに出掛けました。もちろんその時点でも美味しいワインでしたが今飲むのはあまりにもったいない、ぜひ寝かせてみたいと思いクリュッセラート・ヴァイラーさんのところで預かっていただくようにお願いして2007年まで生まれ故郷のモーゼル・トリッテンハイムの蔵元さんで8年の時を重ねそして昨年秋に輸入したのです。

プライベートでこうした特別なワインを開栓するのはとても久し振りでしたが美味しい幸せな余韻は翌日も続き穏やかな気持ちですごせました。