8月22日月曜日 ヴァーゼム醸造所に出かけました。
ヴァーゼム醸造所に出かけました。
滞在先のファルツ地方の北に位置するラインヘッセン地方、インゲルハイムにあります。
列車での旅は街々の位置関係が現実味をおびて実感されるようです。
テラスでの朝食の時、「蜂は肉食!?」だということをみんなで発見しました。ハムをめがけてやってくるんです。そして端っこをちぎって運んで行きます。チーズや野菜には目もくれません。
ノイシュタット・アン・デア・ワインシュトラーセを9時過ぎに出発、
2回乗り換えてインゲルハイム・アム・ラインに到着したのは11時40分。
ヴァーゼムさんが駅まで迎えに来てくれ車で小高い丘にある眺めのよい畑「ブルクベルク」に連れて行ってくれました。
ブルクベルクは全部で80〜90ヘクタールの広い畑で
ヴァーゼム家が所有するのは1ヘクタール強だそうです。
畑、といっても広大な土地で通常複数の藏元が所有し、役所に登録されています。
畑名は所在地の住所みたいなものだと考えるとわかりやすいかもしれません。
対岸にワイン産地ラインガウが見渡せます。
「ブルクベルク」ではフリューブルグンダーとリースリングが植えられていてフリューブルグンダー種をちぎって食べるとすでに甘く収穫が近づいているようでした。
グラスをおくテーブルを車に積んで、フルートグラスも大きなカゴに詰めてたちまち屋外バーのできあがり(*^_^*)
いただいたのはワイン教室でも年末年始ワインとして定評あるピノゼクト「ブラン・デ・ノアール」
黒葡萄ピノ・ノワール種100%で造られたコクがありエレガントな味わいのゼクトです。
葡萄畑の中でワインを飲みながら藏元さんへの質問がいろいろ。
美穂子さんからの質問;「今年は収穫が早いようですが年々早くなっているんですか。」
ヴァーゼムさんの応答;「そういうわけではありませんが10年単位でみたときに90年代は9月20日が平均的な摘み取り初日でしたが、ここ10年は9月8日が平均的初日になっていますのでそうした傾向はありますね。」
せいじさんからの質問;「ぼくはヴァーゼムさんのワインが大好きでよく飲んでいるのですがどうしてそんなに美味しいワインが造れるのですか?」
ヴァーゼムさんの応答;「ありがとうございます!私たちは親族一同の家族経営の藏元ですので何をするにもみんなで力を合わせて動いていますからそれが大きいかもしれません。」
あゆみさんのコメント:「今飲んでいるピノゼクトは私の大好きなゼクトです」
ヴァーゼムさん;「それはよかった、嬉しいです(*^_^*)」
畑での乾杯のあと、醸造設備のあるケラーを丹念に案内してもらいました。なぜか私のカメラにはケラー内の写真が1枚もありません(^_^;)
ひとりで訪ねるときはいきなりテイスティングルームでひたすらワインを飲むことになるので(今年は34アイテムの試飲をしました)ケラーに入るのは久しぶり、ヴァーゼムさんのお話しを通訳するのが精一杯で写真を撮る余裕が無かったのでしょう。ご一緒したみなさんの写真に期待しています(*^_^*)
しかし今回は小型ICレコーダーを持参していて
再生してみるとその日のことがリアルに蘇ります。
新しい情報も盛りだくさん。
聞いただけだとその場で忘れてしまうようなことも残っていて貴重な資料となりました(*^_^*)
またみなさんから写真が集まったら醸造設備の様子をブログにアップしていきたいと思います。
この日のワインプローベは地元の郷土料理であるハムやソーセージ類の盛り合わせをいただきながらのお食事中心のプローベでした。これまたワインの写真がありません、、、
特に印象に残ったのは豚の赤身の生肉をたたいて香辛料で軽く味付けしたもの。
日本では豚肉を火を通さずにいただくことはないので
みなさんと最初牛肉かと思ったのですがなんと豚の赤身。
少しの生臭みもなくコクと旨味がありみなさんの中からは「まぐろみたい〜」との声があがっていました。
ヴァーゼムさんに尋ねると行きつけのお肉屋さんにあらかじめ予約しておいてこの日のために調達してくださったとのこと、シンプルで素材そのものの味わいを楽しめました。
この日出されたパンやバター、クヴァークとフレッシュチーズを混ぜて香辛料で味付けしたディップもワインとよく合って大満足だったでした。
事前調査?ではメンバーのみなさんのヴァーゼムさん評価はそれほど高くなかったのに今回の訪問で一気に注目度上昇!という感じでした。
この日最後にだしていただいたデザートワインを通してみなさんのレベルの高さを実感した出来事がありました。
お食事の後に「フクセルレーベのベーレンアウスレーゼ」を出していただいたのです。
食中酒からいきなりベーレンアウスレーゼに移ると味のギャップが大きすぎるので間にもうひとつデザートワインを挟んでください、とリクエストして「ジガーレーベのアウスレーゼ」を出していただきました。
2種類同時に注いでもらい「ジガーレーベのアウスレーゼ」のグラスを鼻に近づけただけで「いい香り」に包まれました。
口に含むと決して甘いだけでない美味しいデザートの味わいが拡がります。
次に「フクセルレーベのベーレンアウスレーゼ」。
あれ?あまり香りがしませんね?
口に含んでもなんだかおとなしい。。。
決してまずいわけではないのですが期待したようなスゴサはなくみんなの顔をみると「いや、そんなはずはない」と真剣にグラスを嗅いでいました。
「ひょっとして開栓して時間が経ちすぎてるのかも?フクセルレーベのデザートワインだったら2週間は大丈夫のはず」と私がつぶやくと
「教室で飲むのとちが〜う」という正直な声があがりました。
デザートワインをだしていただくタイミングで外からワインを買いに来たお客さんの接客がありヴァーゼムさん冷蔵庫からだして味見をせずにみんなに注いでくれていました。
「これ、いつの開栓ですか?ちょっと飲んでみてくれますか?」というとご自分のグラスでテスティングするやいなや別のボトルを開栓してくれました。
改めてグラスに注がれた同一アイテムは全く別の飲み物、といっていいほど芳しく思わずみなさんから「美味しい〜!」の声があがりました。
普段からコンディションのよいワインを口にし続けていると
初めて口にするワインでも本来の状態か否かということが身体でわかるようになります。
ワインフォーラムのワイン教室は「美味しいワインは身体が覚えている」がモットーですがそれを実証してくれるようなみなさんの見事な反応を目の当たりにした嬉しいひとときでした(*^_^*)
体験にまさる知識はない!ということを実感できたワインプローベの後、ヴァーゼムさんを囲んでの撮影会。
帰りの車の中で「天使が旅するとき天が微笑む」というドイツのことわざを教えてくれました。
今年の夏は7月から8月中旬にかけてお天気が不順で寒くさえあったのでこの数日の晴天と私たちの訪問をひっかけて喜んでくださっていたようで有り難かったです。
次は、インゲルハイムから列車に乗ってマインツまで行きます。
マインツはラインラントファルツ州の州都です。
活版印刷を発明したグーテンベルクの博物館などミュージアムも充実していますが今回の私たちの自由時間は5時間、お買い物タイムにシャガール晩年の作品であるザンクト・シュテファンキルヘのステンドグラスの見学、自家醸造設備のあるビール工房でビールを飲んだりと最重要ポイントに絞ってをゆったりすごすことができました。
ザンクト・シュテファンキルへのシャガールが晩年に手がけたステンドグラス
マインツ唯一の自家醸造設備のあるビール工房併設のレストラン「アイスグルブ」にて。
20時過ぎの列車に乗り22時近くにノイシュタットに到着してもまだ外は明るく駅から宿までの道のりもだんだんなじみのお散歩コースとなりはじめ、みなさんウインドーショッピングしながらお買い物の予定もたてているようでした(*^_^*)
本日もフルコースのお楽しみでした。