ドイツの赤ワイン


ラインヘッセンのインゲルハイムは古くからドイツのワイン産地として有名な街です。白ワインが有名なドイツですがその理由は冷涼な気候にありました。強すぎない優しい陽差しによってゆっくりと熟していくぶどうから生まれる果実味が豊かで生き生きとした味わいのドイツの白ワインは他の国では生み出せない繊細さが特徴です。その中で例外的にシュペートブルグンダー種(ピノ・ノワール)の栽培に適した環境としてインゲルハイムとラインガウのアスマンズハウゼンで造られる赤ワインは世界的に注目を浴びてきたのでした。


しかし世界のワイン栽培地図も大きく変化し、ここ10数年、温暖化の影響で北緯50度のワイン栽培地ドイツでも年々赤ワイン用ぶどうの栽培が盛んになってきています。ドイツ全土でもっとも多く栽培されているぶどう品種ドルンフェルダーは40年くらい前に登場した品種です。他にも以前には考えられなかったカベルネ・ソーヴィニヨンをはじめとするフランス南部でよく育つ葡萄から造られる素晴らしいワインたちに巡り会う機会も多くなりました。



もともとフランスのボルドーブルゴーニュやイタリアのトスカーナのしっかりした赤ワイン好きだった私はドイツの赤ワインにはそれほど興味をもたずにいましたが、1998年にヴァーゼムさんの造ったフリューブルグンダー種の赤ワインを飲んでそのエレガントな美味しさに驚いたのでした。



先入観や偏見を持たずにいろんなことに接したいとは思うものの経験から得た知識である程度選別しながらワイン選びをしていかないと身体が持たないのも事実でそうした時に新しい体験がそれまでの経験を覆してくれるものだったりするのは法外な喜びです。そうしてご縁をいただいたヴァーゼム醸造所でしたが美味しいのは赤に限らず爽やかな白から極上のデザートワインまでバラエティに富んでいます。

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