クリスチャン・ライスさんのワイン造りの姿勢

もう7,8年前になるでしょうか、フランケン地方のたくさんの造り手のワインを比較試飲する会食会の席でクリスチャン・ライスさんといろいろなおしゃべりをしました。彼が「僕はぶどうの収穫が年に1度なのが残念です、なぜなら年に1回しか醸造ができないでしょ」とあらゆる醸造方法に意欲的にチャレンジしていた彼がいった言葉がどても印象に深く残っています。
1年がかりで葡萄を育て醸造することが大仕事なはずなのにそれを数回やってみたい、と思うほどに当時の彼はチャレンジ精神に満ちていたのでしょう。


それから数年後の買付の時に「ワイン造りの8割以上は畑で決まるんですよ、だから畑での仕事は何よりも重要」と語っていたクリスチャン。


今年の夏ツアーのプローベでは「実験的に栽培していた葡萄品種全17アイテムを今後少しずつ減らしフランケン地方の伝統的な葡萄品種に絞り込んでいきたい」と彼にとってのワイン造りルネッサンスとも感じられるメッセージを語っていました。


ワインがその土地に植えられた葡萄品種から生みだされる産物であり、ヴィンテージ(生産年)は単にその年の天候気候のみだけでなく造り手の置かれた環境も含んでいることを肌で感じた訪問でした。