伝統と挑戦〜天候


今回の買い付けで藏元さんを巡っていて折々に感じたのが
「伝統と挑戦」ということでした。


1997年から輸入をさせていただいている蔵元さんとは
すでに14年のお付き合いです。
新しいところでもすでに5年。


今回「伝統と挑戦」を軸に
各蔵元さんで感じたことをお伝えしていきたいと思います。



葡萄栽培から醸造マーケティングまで
すべてひとり、あるいは造り手さんのファミリーの裁量で
進めていくわけですから
1本のワインが生産されるまでには
様々なご苦労があると思います。
ワイン造りは自然が相手ですから
なかなか計算通りにはいきません。




私が訪ねる少し前、一晩だけ氷点下になった夜があったようです。

4月末から芽吹き始めたばかりの葡萄の芽は大打撃を受け
フランケン地方の一部では
今年の収穫がまったく望めないエリアもあるようです。


また滞在中は素晴らしい晴天続きでした。
日中30度を超える日も数日あり、
いったい今が何月なのか
わからなくなるような気分に度々おそわれました。

新芽には適度な水分も必要です。
昨年もほぼ同じ時期にドイツを訪ねていますが
かなり肌寒く「もう5月なのにね。。」と
話したことを思い出していました。


2010年は8月に雨が多く、
摘み取りの際にもいつも以上に慎重に葡萄の房を選り分け、
また葡萄を摘み取った後も
葡萄の粒を手作業で選別する作業が常に必要だったようです。


収穫量は例年の4割から5割と
半分以下にまで落ち込んだようですが
出来上がったワインはいつも以上にクリアーで
繊細な味わいのものが多く
今年ほどテイスティングが楽しかったこともないかもしれません。


作る苦労を知らずただ美味しく味わえるのですから本当に感謝です。

毎年異なる天候、大きなテーマです。
カステル・ペーター醸造所の
女性ケラーマイスター(醸造責任者)のバーバラさんは
「ヴィンテージ(生産年)は自然の筆跡」と表現し、


単にいい年とか悪い年というのではなく
その年々の特徴を踏まえた上で
そのよさを最大限に引き出すのが造り手の使命だと
ほほえみながら話していたのが印象的でした。

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